「特別支給の老齢厚生年金」
65歳より前に請求すると減額されるのか!?
こういった誤解があるようです。
まず結論です、そのようなことはありません。
ここでいう「減額されない」とは、
・65歳前に請求する
・65歳まで待って請求する
特別支給の老齢厚生年金の減額と停止
特別支給の老齢厚生年金は、減らされたり、払われないこともあるのか?
先に結論です、それはあります。
減額又は停止されるケースが、主に3つあります。
2.ハローワークから失業保険(正式には基本手当)を受取っている場合(雇用保険法との調整)
3.遺族年金や障害年金など、他に受取っている年金がある場合(併給調整)
以上の場合、権利はあるが受取れないということになります。
「特別支給の老齢厚生年金」を受取るための要件
1.年金の加入期間が10年以上あること
2.男性の場合の場合、昭和36年4月1日以前生まれで1年以上厚生年金の期間があること(*1)
1でいう、加入期間とは、専門用語では受給資格期間のことを指します。
国民年金、厚生年金、共済年金の合計が10年以上あることが必要です。(*2)
国民年金は未納の期間は受給資格期間には含みません。
支給開始年齢に到達すると、当然に受取れます。
支給開始年齢は、生年月日・性別により異なります。
65歳前に請求しても、減額されるものではありません。(*3)
また65歳になって請求しても、増額されません。(*3)
さらに「特別支給の老齢厚生年金」は、65歳到達で権利はなくなります。
65歳以後は「老齢基礎年金と老齢厚生年金」を受取ることになります。
もし65歳になって初めて請求すると、65歳前後の年金を同時に行うこととなります。
この場合、年金を受け取るまでに余分に時間がかかることがあります。
65歳で退職し、後は気楽に年金暮らしと考えていた方…。
請求に行ったら、「受取れるのは4か月後」なんて言われるとがっかりしますよね!
事実、最初の請求では、実際に3~4か月かかります。
自分の支給開始年齢を確認し、請求書が届いたら早めに請求しましょう。
ポイント
1、60歳代前半の年金、いわゆる「特別支給の老齢厚生年金」の請求の時期により損得はありません。
2、自分の年金の支給開始年齢を確認しましょう。
3、年金請求書が届いたら、早めに請求しましょう。
(*1)女性は5年遅れ、共済年金には男女の差はありません
(*2)加入期間が10年に満たなくても、合算対象期間を含めることで、受給要件を満たす場合があります。
(*3)年金が減額される「繰上げ」、増額される「繰下げ」とは別のものです
コメント